情報の形態 - Labs : IA wiki

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解説

ネイサン・シェドロフによる「理解の段階」という図に起因する考え方。(システムバージョンアップの関係で図が表示されていません。復旧しますのでしばしお待ち下さい。2016/05/16)


理解とは、データData)から知恵Wisdom)への連続した観念と考えるべきだ。(中略)そこには、何段階かのレベルが存在する。 (中略)この連続体の終点に近づくにつれて、理解が個人の問題となってゆき、ついには他人とは絶対に共有できないほど私的なものに変化するという事実にある。共有出来るのは、そこへいたるまでの過程だけとなる。

Dataデータ)、Information情報)、Knowledge知識)、Wisdom知恵)の頭文字を取って、DIKWと表すことも。

当サイトでは、この概念を情報設計の根幹として用いている。

当サイトのオリジナルの考え方として「人間のアウトプットとインプットは情報のみによって行われる」という点が挙げられる。

世の中には大きく分けて2種類の「伝える」がある。

Data(データ)

Data(データ)とは、情報の元になる、それのみでは意味を成さない数字・文字・図形・音などを指す。つまり未加工の情報。

データ < 情報 < 知識 < 知恵

データは、編集・合体・組織化・文脈を与える等を行うことにより情報になる。

情報がベクトル的だとすると、データはスカラー的。

基本的にデータをデータのまま伝達することは無く(若しくは著しく効率が悪い)、何らかの編集を行って情報として伝達を行う。


Information(情報)

Information(情報)とは、人が名称・状態・感情・しくみ・文脈などを他人に伝達するための「データの集合体」または「知識の断片」。

当サイトでは人間がコミュニケーションによって理解・認知する際に受け渡ししているものは、情報であると定義する。


Knowledge(知識)

Knowledge(知識)とは、組織化された情報に個人の経験を適用して抽象化したもの。

さまざまな情報が組み合わさり、体系化・構造化されることで情報は知識となる。

知識は経験を伴うため、個人の頭の中に存在する。よって知識をダイレクトに他者に伝達することは不可能である。

知識を他者に伝達するには、ブレイクダウン型の編集を通して知識を情報化する必要がある。


Wisdom(知恵)

Wisdom(知恵)とは、知識がさらに抽象化され、他分野などに応用可能になった情報の形態。知恵は、ある分野に限定されたものではなく、高域な分野の根本的な理解が得られている状態である。

たとえばプロ野球選手にソフトボールをやらせれば、最初からかなりのハイレベルなプレーを披露してくれるはず。同じように程度の差こそあれ、別のスポーツ、たとえばサッカー、バドミントン、マラソンなどでもそれなりのレベルを期待できる。これは本業の野球を通じて得た知識(体の動かし方・試合運び・駆け引き・準備・戦略など)をふんだんに活かすことができるからである。

おそらく畑村洋太郎先生の仰る「真の理解」に達した状態ではないかと推測する。ある分野を極めた者はこの域に到達するのだろう。

真の理解にいたるまでには、ただ単に知識を詰め込んだだけではダメで、実践による経験値の獲得などが必要なのだという。


昇華型の編集

データとは情報の元になる、それのみでは意味を成さない数字・文字・図形・音など。データは、編集することにより情報になる。

  • 数字→表
  • 文字→文章
  • 図形→図・絵
  • 音→音楽・効果音

たとえば、センサーから送られてきた気象データがあるたとする。そのままでは意味をくみ取りにくいが、図や文脈を付加し、適切なシェイプをあて、データを隠したり、結合などことによって、今日や明日の天気、気象の推移、他国との比較、降雨量の予測、作物の収穫量、テーマパークの集客人数予測などの情報となる。

このような「データ→情報」というタイプの編集を「昇華型の編集」と言う。

ECサイトなどで、商品スペックをただ羅列している場合があるが、多くの人にとって、それはデータの羅列であり情報とは受け取りがたい。

データは、適切な設計を行い情報へと変換すべきであり、無意味・無目的なデータ群は「情報」ではなく「たくさんのデータ」のままである。データはデータのままでは人に伝わらない(冒頭の定義)ので、人に伝えるという目的がある場合は、適切な情報設計を行う。

巷で噂のビッグデータは、その名の通りデータの巨大な集合体であるが、これを情報化できる設計者(技術者・デザイナー)の絶対数が少ないため、現時点では活用できているとは言いがたい。


ブレイクダウン型の編集

知識とは、組織化された情報に個人の経験を適用して抽象化したもの。さまざまな情報が組み合わさり、体系化・構造化されることで知識となる。

  • 師匠→弟子
  • 教授→ゼミ生
  • 上司→部下
  • 親→子

知識をそのまま伝達することはできないので、人に伝えるという目的がある場合は、適切な情報設計を行う。

たとえば、教師・師匠が技や術を他人に教えるときに使われるのがブレイクダウン型の編集である。個人的な経験を通して得た知識や知恵は、高度に絡まりあって言語を超越して抽象化されるため情報ではない。そこで、OJTや講義や指導を通して教育する中で、知恵や知識を適度な分量で切り出し、文書・図説などに変換し、他の情報との関係性を示すなどして変換(ブレイクダウン)する。

このような「知識or知恵→情報」という編集を「ブレイクダウン型の編集」という。

「データから情報」との違いは、集合させてから構築するのではなく、膨大な知識の中から伝達したい箇所を適当な大きさに切り出して整形するところである。多くの場合、知識を継承するには膨大な時間がかかる。残念ながら、キアヌ=リーブス演じるネオの様に一朝一夕でカラテの達人にはなれないのである。


学問として成立している分野(例えば物理学、生物学、数学、文学など)は、知識として体系化され、多くの人々が共有している状態である。

ちなみにインフォメーションアーキテクチャ・情報設計は学問になりきれていない。歴史の浅さ、権威ある文献の乏しさ、分野自体の定義の曖昧さ、基礎の欠落などが挙げられる。


形態レベルのあいまいさ

データ、情報、知識、知恵のレベルの定義は、文脈やシーンによって立ち位置を変える。


関連項目


参考