カモノハシ問題 - Labs : IA wiki

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新学期が始まった動物学校に、新入生のカモノハシくんがやってきた。「みんな、グループに分かれましょう」と先生は言うけれど、誰とも少しずつ違うカモノハシくんは、「ぼく、いったいどのグループに入ったらいいの?」と泣きながら、教室を出ていってしまった。さあたいへん。

カモノハシくんはどこ?―生きものの分類学入門

階層型分類のパラドックスに対する問題や解決方法などをまとめて、「カモノハシ問題」と命名。

階層型分類はツリー構造であるが、ある特殊な要素のせいで全体的な論理性を脅かすケースがある。

たとえば「複数のカテゴリーに属す要素(複数の親を持つ要素)」、「どのカテゴリーにも属さない要素」などである。動物にたとえると、カモノハシのように、ほ乳類なのか、爬虫類なのか、鳥類なのかはっきりしない生物がこれにあたる。


カモノハシ問題の重要性

階層型分類は取り扱いやすく、ユーザー理解を得やすいため、重宝される。

しかし、メンタルモデルを形成しやすい反面、柔軟性・拡張性に欠け、時として全体構造自体に破綻をきたすことがある。

カモノハシ問題は、妄信的な階層型分類の採用に対して、情報設計という観点から見直すための入り口として位置づけることができる。


対処策1 「エイリアス」

ある要素が複数のカテゴリーに属する(複数の親を持つ)場合、どちらか一方を「本体」、他方を「分身」として処理する方法。

対策名の「エイリアス」とは、MacOSXの「エイリアス」から命名した。Windowsでいうところのショートカット機能である。UNIXではシンボリックリンクが相当する。

多くのカモノハシ問題は、エイリアスで処理されるが、エイリアスが多くなってくると、本体の居場所が分からなくなり煩雑になる。あくまでシンプルなエイリアス設置を心がけるべきである。


対処策2 「ダブル」

Web情報アーキテクチャ(通称シロクマ)では、クロスリスティングと呼ばれる。

ある要素が複数のカテゴリーに属する(複数の親を持つ)場合、どちらも「本体」として実体を存在させる方法。多重メンテナンスが必要になるため、合理性の面から製作者からは嫌われるが、CMSはダブルで実装する。

この対処法も多用しすぎるとユーザのメンタルモデル形成を阻害してしまう。また、ひとつのコンテンツが複数の場所に分類されるため、パンくずナビゲーションも複数発生する。



「その他・雑」

階層構造から外れた独立した要素の分類法の解決策として、「その他・雑」というカテゴリーに放り込んで解決する方法。「どっちにも属さないなぁ」という項目がある場合に使うことが前提である。

ただし「その他・雑」はWebサイトで使用するには都合がわるいことがおおい。「その他・雑」とうラベリングは、内包するコンテンツの意味を示しておらず「構造的に異端である」という全体構造における位置づけなので、ユーザーからは中身を想像することが出来ない。よって、ユーザーの「ワンクリック」を合理的に設計することが求められるWebサイトでは十分注意して使用されたし。


問題について

カモノハシ問題が発生した場合、情報設計(カテゴリー分けなど)が悪いことが多い。

また、正確な分類にとらわれすぎてもカモノハシ問題は発生しやすい。構造的な「美しさ」「正確さ」を追求しすぎるとカモノハシ問題からは脱せないので、「ある程度」で見切りをつけて「まあ大体は正確」という構造にしてしまうのも有効である。

実際、情報を完璧に分類することは原理的に不可能なので、当然と言えば当然。極論を言えばカモノハシ問題は階層型構造であればいつでも発生する。

話は変わるが、根本的な解決の糸口として、ファセット分類を使用してみてはいかがだろう。